▲写真は大修復前の本堂・玄関などの全景
 国宝 大仙院本堂 附(つけたり)玄関について

 大仙院は大徳寺山内にある24カ寺の塔頭(たっちゅう)の中の一つで
古岳宗亘
(こがくそうこう)を開山として室町時代後期の永正(えいしょう)
間(1504〜21)に創立されました。

以来法燈は受け継がれ、大仙院と相前後して東渓宗牧(とうけいそうぼく)によって
開かれた龍源院とともに北派・南派とよばれる二大法系を形成し、その北派の
本庵として大徳寺隆盛の礎を築いてきました。
 本堂は、棟札
(むねふだ)により永正10年(1513)に建てられたことが明らかで、六室で構成される禅宗方丈の典型的な建築です。方丈建築の古い遺構の多い大徳寺山内において最も古く、また全体的に見ても国宝東福寺竜吟庵方丈に次いで古いので、日本建築史上重要な建築といえます。さらに、内部の襖絵や外部の庭園も時代を代表する一級品で、本堂の価値を高めています。
 方丈建築とは、仏事・修業を行う宗教施設であるとともに和尚様の私的な居住施設でもあります。
大仙院本堂の北東角の書院とよばれる部屋とそれに隣接する部屋は、まさに居住のためのもので、外部の枯山水の庭園と一体となった空間構成からは、当時の閑寂で至高なたたずまいをうかがうことができます。

▲工事用 素屋根建設中 ▲玄関の銅版屋根の下地を解体中 ▲美しく檜皮が葺き上がった玄関屋根
文化財建造物の修復では、工事中風
雨にさらされないように仮設の屋根
である素屋根を建設します
檜皮葺(ひわだぶき)は、檜の皮をある
一定の形に作り、1cmほどずらしな
がら葺き上げてゆきます。

▲本堂素屋根 ▲祀られていた昭和大修理の棟札 ▲本堂の両端を飾る瓦、獅子口
本堂の周りには美しい庭園がある
ので、出来る限りコンパクトに建
設し、一角には余地を利用して展
示コーナーを設けました
小屋裏には、別に500年前の本堂
建築当初の棟札
(むねふだ)など6枚が
保存されていました
上面には昭和大修理を導かれた先住
和尚が揮毫されていました
▲屋根葺材の檜皮(ひわだ)の束 ▲檜皮を固定するための竹釘 ▲使われていた檜皮
これは軒先用の檜皮で長さは36cm、
この他に屋根面を葺くための75cm、
の平葺きの皮を主に使います
水で濡らしズレないようにした檜皮
をある程度並べてから、竹釘で止め
てゆきます
改修前の銅版葺きの本堂屋根の一部
で使われていた檜皮
▲解体で現われた本堂屋根 ▲本堂の入母屋屋根東端の妻飾 ▲本堂側面屋根に取り付く縋屋根(右)
銅版葺から檜皮葺きに復元するのに
屋根の骨組みを少し改造しなければ
なりません
この三角形の部分は、側面を意味す
る妻と呼ばれて飾りが施されていま
すが、簡素なものとなっています
大仙院独特の縋屋根(右)は、本堂の
部分が背面に広げられたので、それ
を覆うために掛け足された屋根で、
独特の優しい形をしています。

▲玄関軒先で檜皮を積んでいるところ ▲本堂屋根の下地施工中風景 ▲本堂屋根の檜皮葺施工風景

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